【SF】2017第6戦SUGO:関口雄飛が今季2勝目!ガスリーとの接戦を制する

©︎H.Yoshii

2017年の全日本スーパーフォーミュラ選手権の第6戦決勝が24日、スポーツランドSUGOで行われ、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が今季2勝目を挙げた。

【公式予選】
前回のオートポリスから2週間。シリーズ第6戦の舞台は、屈指の難コースとして知られるスポーツランドSUGO。土曜朝のフリー走行は、前夜から降り続いた雨の影響でウエットコンディションとなったが、午後の予選はドライコンディションに回復。19台のマシンが、0.001秒単位の白熱した予選アタック合戦を繰り広げた。

1周3.7kmでスーパーフォーミュラでは、わずか1分5秒程度で周回するスポーツランドSUGO。Q1から、野尻智紀、山本尚貴、山下健太など注目ドライバーが次々と脱落していく中、Q3はコースレコードを塗り変えるような白熱したバトルになっていく。

まずトップタイムを記録したのはピエール・ガスリー(TEAM無限)。1分05秒080とわずかにコースレコードに届かなかったものの、初走行とは思えないほどの好タイムを記録した。

それに対し、各ライバルも区間タイムで上回っていくが、最終的になかなかタイムが伸びない。アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)は1分05秒089。昨年ここでポールポジションを獲得した関口雄飛、さらにチームメイトのヤン・マーデンボローもトップに届かない。

2連勝と好調なガスリーが、初ポールポジションかと思われたが、最後の最後でニック・キャシディが1分04秒910を叩き出し、逆転トップ。さらに2周連続でタイムアタックに臨んでいた関口が2番手に滑り込みセッションが終了。ルーキーのキャシディが初のポールポジションを獲得。2番手に関口、3番手にガスリーとなった。

ポールポジションを獲得したキャシディは「オートポリスから問題を抱えていたが、SUGOに入ってそれが解決した。元のマシンのフィーリングが戻ってきた感じだよ」と笑顔。近藤真彦監督も、第4戦もてぎでの山下健太に続いて今季2回目のポールポジションということで、喜んでいた。

【決勝レース】
前日の予選日は雨絡みのコンディションとなったが、決勝日は晴天に恵まれたスポーツランドSUGO。気温26度、路面温度41度の中で68周のレースが始まっていく。

ポールポジションはルーキーのニック・キャシディ(KONDO RACING)だったが、スタートで大きくで奥手れしまい5番手に後退。さらにフォーメーションラップ開始3分前には乗り込みも完了しグリッド上での作業は一切禁止だったのだが、3分を切った段階で乗り込み作業を行なっていたため、スタート手順違反でドライブスルーペナルティ。勝負権を失ってしまう。

さらに4番手スタートのアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)も12周目にいち早くピット作業を済ませるが、この時にピットレーン速度違反を犯してしまい、こちらもドライブスルーペナルティ。ポイント圏外へ後退してしまう。

こういった波乱の中、スタートでホールショットを奪ったのは関口。そこにピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)と続いていく展開。関口は昨年同様に後続を一気に引き離す走りを披露。ガスリーも必死に追いかけるが、その差は7秒にまで広がった。

また後方では小林可夢偉(KCMG)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、山本尚貴(TEAM MUGEN)がノーストップ作戦を敢行。燃費を意識する走りに徹し、チェッカーを目指すなど、例年とは違う見応えのあるレースとなっていく。

42周を終えたところで関口がピットイン。給油を行うが、この際に燃料が漏れてしまうアクシデントが発生。火災にはつながらなかったが、これが終盤になって展開を左右するきっかけとなる。一方、2番手を走行していたガスリーも57周目にピットイン。関口の後ろでピットアウトする。

後半も後続に対してリードを築いていった関口だが、給油時に燃料がこぼれた分、最後まで走り切れる分の燃料が入っていない可能性が浮上。残り5周を切ってチームから燃費セーブの指示が出て、一気にガスリーとの差が縮まる。そしてファイナルラップに入って両者の差は0.5秒に。燃費セーブでスピードを上げることができない関口に対し、ガスリーが最終コーナー背後につき、オーバーテイクボタンに手をかけるが、まさかの弾切れ状態で追加パワーを得られず。結局順位は入れ替わることなく関口がトップチェッカー。2位にガスリー、3位に一貴という結果になった。

ノーストップ作戦を行ったメンバーも終盤に明暗分かれ、山本はポイント圏内を走行するも、残り2周でガス欠ストップ。可夢偉は最終ラップに別のトラブルが発生しスローダウン。4番手を走行していたが7位でチェッカーとなった。一方ローゼンクヴィストは今回も燃費走行を成功させ5位でチェッカーを受けた。

最後はライバルに迫られる中でのフィニッシュとなった関口。実は朝のフリー走行でクラッシュを喫し、その修復が直前まで間に合わず、グリッド上でサスペンションアームを交換するなど、終始バタバタだった。途中の給油失敗などさまざまなハプニングを乗り越えての勝利に、安堵の表情をみせていた。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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