【F1】2012年F1世界選手権が開幕。今年の見どころは?

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世界中のモータースポーツファンが待ちに待った2012年のF1世界選手権が、3月16日にオーストラリア・メルボルンで開幕する。今年はアメリカGPが増え、全20戦でシリーズが争われ、2週連続開催が6回あるなど、今までにないほどの過密日程で世界中を転戦する。

今年も、2年連続チャンピオンを達成したセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を中心に、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)のチャンピオン経験者が参戦。さらに2007年王者のキミ・ライコネン(ロータス)のF1復帰も決まり、今年は6人のチャンピオン経験者が「2012F1ワールドチャンピオン」を目指して激闘を繰り広げる事になる。

【3連覇に向けて視界良好!ついにベッテル時代の到来か?】
チャンピオン争いという点では、昨シーズンは圧倒的な強さをみせたベッテルが最有力候補となってくるだろう。今季もチャンピオンを獲得すれば、2004年のミハエル・シューマッハ以来に「3年連続王者」が誕生する事になる。シーズン前のテストでも好タイムを出しており、3連覇に向けての準備も順調。本格的な“ベッテル時代”の到来となるシーズンになるかもしれない。

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【合言葉は今年も“打倒ベッテル”ライバル達が虎視眈々】
そのベッテルの独走を阻止するべく虎視眈々としているのがライバルのマクラーレンチーム。今年もバトン、ハミルトンのイギリス人コンビで王座奪還を狙う。昨年は速さという点でレッドブル陣営に後れを取ってしまったが、レース戦略や天候変化などの混乱時に的確な対応をするなど、レッドブルチームが得意としていたコースで勝ち星を挙げている。
今季も「チーム力」でチャンピオン獲得を目指す。

McLaren MP4-27 Technical Launch 2012
[Photo:McLaren]

昨年は脇役になってしまった感のある名門フェラーリチームも、在籍3年目となるフェルナンド・アロンソとともに王座奪還を狙う。名門復活のため、フェラーリは今季から元ブリヂストンF1タイヤ開発責任者の浜島裕英氏をチームに迎え入れ、タイヤ戦略の面でより有利に戦えるようにレベルアップを図っている。今年の新マシン「F2012」の出来についてアロンソ自身は消極的な発言が目立っていたプレシーズンだが、浜島氏の「タイヤを見極める能力」を追い風に、レッドブル、マクラーレンの間に割って入ってくるレースを期待したい。

PRESENTAZIONE F1/2012
[Photo:Ferrari]

【3年目のシューマッハは正念場のシーズン】
過去最多7度のチャンピオンを獲得しているミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)。2010年に現役復帰したときは大きなニュースだったが、周囲の期待に沿う結果がでないまま、3年目のシーズンを迎えることになった。かつては「皇帝」として黄金時代を築き上げたシューマッハも今年で43歳。かつてのファンが待ちわびた現役復帰後の初勝利が見られるか、それとも結果が残らずに3年目も終えてしまうのか、皇帝にとって正念場のシーズンとなりそうだ。

【ライコネンがF1復帰!開幕戦から上位争いに食い込めるか?】
今年の一番のニュースは、何と言ってもキミ・ライコネンのF1復帰。ここ2年はWRCに挑戦するなどでF1を離れていた“アイスマン”が、久しぶりにF1のコックピットに帰ってきた。
年々、高いレベルでの戦いとなっているF1で、2年のブランクは大きいのではないかという意見もあったが、今季初の合同テスト(2月7日・ヘレス)で堂々のトップタイムを記録するなど、存在感をアピールした。2月下旬のバルセロナテストでは、チームがテスト参加を取りやめなければならないトラブルに見舞われてしまうなど、十分な準備が出来ないままのシーズン開幕となってしまったが、これまでとは違い“挑戦者”としてライバル達に真っ向勝負を挑んでいくライコネンのアグレッシブな走りに期待したい。

ライコネン表情
[Photo:Lotus F1 Team]

【小林可夢偉、勝負の3年目へ】
そして、今年も“日本代表”として小林可夢偉がザウバーチームからフル参戦する。昨年は序盤戦でQ3進出やポイント獲得などの活躍を見せたものの後半戦になり失速してしまった。
勝負の3年目となる今年は「1年目と2年目の良かったところを合体させたシーズンにしたい」と、シーズン通しての安定した結果、ポイント獲得を目標に準備を進めてきた。
シーズン直前のテストでもトップタイムを叩き出すなど、要所要所で速さを見せてきた可夢偉とザウバーチーム。昨年も開幕戦オーストラリアGPでは予選9位と速さを見せたが、決勝は車両規定違反により失格。悔しい開幕戦となってしまった。
今年は昨年以上に素晴らしいレースを決めて、開幕戦で良い流れを作るレースを期待したい。

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シーズン直前でのテストの結果を見ると、今年は例年になくチーム・マシンの差が互角になっている各チーム。ちょっとのミス、ちょっとの工夫で大きく順位が入れ替わるレース可能性が高いシーズンになりそうだ。

今年も1戦たりとも見逃せない激闘のF1シーズンがいよいよ開幕する。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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