【Formula Nippon】第1戦鈴鹿2&4レース:中嶋一貴が巧みなレース戦略で開幕戦優勝!

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『撮影:SHIGE

2012年のフォーミュラ・ニッポン開幕戦が鈴鹿サーキットで15日に行われ、3番手スタートの中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が優勝を飾った。

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今年も鈴鹿2&4レースが開幕戦の舞台となったフォーミュラ・ニッポン。スタート前にグリッドに整列したドライバー達は、グランドスタンドに詰め掛けたファンに挨拶。F・ニッポン史上最も激戦と言われているシーズンの初戦がスタートした。

予選で初のポールポジションを獲得したのは、伊沢拓也(DOCMO DANDELION RACING)。決勝も逃げ切って優勝を飾りたかったところだが、スタートで出遅れ、チームメイトの塚越広大、3番手スタートの中嶋一貴に先行を許してしまう。伊沢はその後も流れを作ることができずズルズルと後退。優勝争いからの脱落を余儀なくされる。

伊沢の交代により、優勝争いは塚越と一貴の一騎打ち。塚越は前半から一貴を突き放し、14周目には5秒のリードを築く快走をみせる。しかし塚越のマシンに異常が発生。エキゾーストパイプ(マフラー)が割れてしまう。大幅なパワーダウンが懸念されたが一貴との間隔を何とか保ったまま、レース中盤を迎える。

今年のフォーミュラ・ニッポンはタイヤ交換義務はなくなったものの、燃料タンクの容量に厳しい制限がかかっており、実質1回のピット作業が必要。その作業をどのタイミングで行うかが、レースの勝敗を分けるポイントとなった。

まず先に動いたのは、トップの塚越は23周目にピットイン。22.6秒の作業時間でコースに復帰。これでトップに立った一貴は、一気にペースを上げ自らのピット作業時間を稼ぐ。そして26周目にピットイン。チームも完璧な作業を行い18.1秒で一貴を送り出し、見事トップ奪還に成功した。

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レース前半は、燃費を気遣いながらの走行を意識し、トップに立った後半スティントは本領を発揮して、一気に塚越を引き離した一貴。そのまま開幕戦のトップチェッカーを受けた。

昨年の第2戦オートポリス以来、F・ニッポンでは通産2勝目を飾った一貴。パルクフェルメに戻り、マシンを降りるとガッツポーズ。笑顔で表彰台に上がった。

2位はピット戦略で敗れた塚越。3位には2010年の王者ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が入った。

F1の舞台で「給油を含めたレース戦略」を経験してきた中嶋一貴とチャンピオンチームの総合力が呼び込んだ開幕戦勝利だった。

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優勝:中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)
「朝のフリー走行から調子がよく、レースペースには自信がありました。スタートで伊沢選手の前に出られたのですは、塚越選手の方が前半は速くて苦労しました。でも、チームが完璧なピット作業をしてくれたのと相手のトラブルにも助けられて優勝できました。」

2位:塚越広大(DOCOMO DANDELION RACING)
「スタートも上手く決められて前半はリードを築く事はできたんですが、エキゾーストがおかしくなって、一時は止まってしまうんじゃないかとヒヤヒヤしていました。大きなパワーダウンもなく、ペースを維持しようと努力した前半でした。ただ、ピット作業で逆転され、その後も食らえつくことができず、悔しいレースとなりました。反省はいっぱいありますが、良いレースができたのではないかと思います。」

3位:ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)
「最後の5周でエンジンにミスファイアのようなトラブルが発生してしまい苦しいレースになった。ずっとプッシュし続けていたけど、最後の5週だけはマシンを労わって走った。トラブルによるペースダウンは悔やまれるけど、3位表彰台を獲得できたのは良かった」

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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